そんな夜の話


前書き テマリが任務で木ノ葉で誕生日を迎えた日の夜、バキ先生の差し金により、風影とカンクロウまでもが強制的に木ノ葉に派遣させられました。そんな夜の宴会雑談です。


「サクラぁ!」
「きゃあっ、テマリさんッ」
「サクラはかわーいぃなあ。わたしの…妹になろ?」
「え」
「テマリ姉ちゃん…飲みすぎだってばよ」
「記念すべき二十歳の誕生日が、これか」
「んーわたし、妹が欲しかった…」
「…光栄ですっ…くるしぃ…」
「テマリ、離してやれって」
「ね、おねぇちゃんって読んでみて?」
「酔っ払いに付き合わないでいいんだぞ?」
「お、ね…えっと。恥ずかしい…」
「かぁわいい!やっぱ、女姉妹がよかった…いいにおいするし、髪の毛サラサラだし。
  むさくるしい弟よりいもうとがいいねぇ」
「むさくるしい…」
「………」
「ふわふわだし、やーわらかいし…っれぇ……?」
「きゃああああ!」
「…むね?」
「!……くぅっ」
「残酷な…」
「女ってやつは」
「…サクラちゃん…」
「――やっぱ、妹がいい!…カンクロウとトレードしよっか!?ね、ナルト?」
「えー?えーーっと……」
「よぉしきた!サクラとカンクロウチェンジ!」
「我愛羅…?」
「医療忍術は有りがたくいただこう」
「お前らはッ。弟を気安く渡すな!そして、兄を大切にしろ」
「オレはお前の弟である前に風影だ」
「弟もう一人いるもん。あきた。妹が欲しい」
「……オイ、オレの方が先に弟になったの知ってるじゃん?我愛羅と差をつけすぎじゃねぇか?」
「嫉妬か?我愛羅は可愛いだろ?それに風影だからな、ダメだ」
「オレだって…傀儡の術が流出するじゃん?」
「同盟だから大丈夫。外交官が認める」
「テマリさん、それはちょっと…」
「んんんー?駄目か。じゃあ、私が木ノ葉に行くってことで…。えっと…奈良、私とチェンジな!」
「はぁ!?」
「何?砂隠れは嫌なの?大丈夫、お前にもすっごく良いことがある」
「…どんなことだよ」
「兄弟がいっぺんにできるぞ。一人っ子だから嬉しいだろ?我愛羅お兄ちゃんて呼んであげて?」
「…………………」
「……ムリムリムリ」
「シカマルと我愛羅と兄弟かぁ、おもしれーな」
「面白くなんかない」
「お義兄ちゃぁん!夕飯おごってほしいじゃん。木ノ葉の美味いやつ」
「お前、オレより年上だろ…。」
「義兄さんけちくせぇな。テマリ、これはやめといた方がいいぜー?」
「そうだ、やめとけ。」
「えぇ?じゃあどうすれば…――ん……じゃあ、いっそのこと我愛羅とナルトをチェンジして、
  私と奈良も一緒にチェンジすればいいのか。カンクロウと…ちょっと妙な取り合わせだが
  まぁ目を瞑るとして。あ、でも私と奈良がチェンジしてたらサクラと班は同じになれないし…んんん…?」
「…なんでそこで深刻に悩むんだ」
「テマリさん…ほんと、酔ってますね…」
「じゃあ、やっぱり…私が行くだろ?でもって、代わりに…」
「おい、この姉を止めてやれ」
「…楽しそうだからいいじゃないか」
「シスコンか」
「なんだ、羨ましいか」
「羨ましくなんかねぇよ」
「ちょっと兄弟には憧れるわねー」
「うん。羨ましいよなぁ」
「…モノによっちゃ大変だぜ?よく考えるじゃん」
「何だ奈良は素直じゃないなあ。お姉ちゃんって呼んでいいぞ」
「…はぁ?」
「お前、私の弟になったら、すっごいぞ」
「何がだ?」
「私の元でバリバリと働いてもらう」
「何がいいんだよ?」
「頑張ったら、ご褒美あげる」
「………」
「ご褒美って何だってばよ?」
「すっごいもの」
「それって」
「テマリ…」
「…そんなすっごいもん、頑張ってももらったことないじゃん」
「で、どうする奈良。」
「………」
「お前、すんごいこと、されちゃうぞ?」
「…………」
「なんで、お前はそこで真剣に悩むんだ。罠だろ」
「…いや、しかし」
「もうちょっと学習しようぜ?」
「いや、それは…」
「シカマル…お前、実すんげー馬鹿だったんだな」
「奈良、頑張ってみる?」
「……ホントにあんだろうな、ご褒美」
「テマリ。オレはこいつを決して義兄とは呼ばない!」
「テマリさん、もうそろそろシカマルおちょくるのも止めてあげて…って我愛羅くんも…」
「我愛羅とシカマルって似てるとこあるよなぁ」
「!」
「!」








-了-




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