ショウ・タイム 2




10:00 舞台裏1




シズネ「綱手さま、2名は先ほど東門を通過し、北部エリアへと向かいました。」
綱手「そうか…では、これよりこの執務室は緊急対策本部になる。会議をはじめよう。」
イズモ「…はあ。」
「なんだお前ら、若い癖にハリがないぞ。」
「…本当にやるんですか…?」
「当たり前だ、私が今日のためにどれだけ手を回したと思っている。」
コテツ「いえ、手を回したのも、実際に根回しのために準備したのもオレたちですけれど。」
「ともかく…ちょっと参加人数が少ないな。4人では面白くもない。」
「…巻き込むんですか、これ以上。」
「大人の対応ができそうなやつ、と…。よし、ヤマトを呼べ。あいつは今、災害地区の地盤調
   査と残存建築物調査をやらせているから、さして忙しくはないはずだ。」

「……。」
「…いいのかなぁ。」

※ ※ ※

ヤマト「失礼します。」
「おお、調査中にすまないな。」
「いいえ…あまりに急な召集ですね。何かあったんですか?」
「実はな…。?入れ。」
カカシ「失礼します。」
「ああ――カモネギ……。」
「は?」
サクラ「お疲れ様です!師匠。」
サイ「失礼します。」
「…何だ?3人して。」
「一昨日に任務を言い渡されたのは師匠なんですけれども…。」
「ああ、そうだったか。どうだった?」
「暗殺対象になっている、というのは依頼者のガセネタで、単なる護衛だけの任務でした。」
「そんな事も多々ある。お疲れだったな。…8人か…まあいいだろう。
   ――ところで、二人に話がある。」

「はい。」
「サクラ、お前は医療忍術そして体術においても有能な私の自慢の弟子だ。
   そしてサイ、お前は暗部の経験も長く、このカカシ班での任務を経て、忍としてだけではなく
   人間としても著しい成長を遂げている。
   ……お前らはもう、何事に対しても大人の許容ができる人間だ、な?」

「……。」
「では参加者が全員揃ったので、緊急対策本部設立の趣旨を説明する。」
「え、次の任務ですか?」
「…まあ、黙って聞け。実は、シカマルとテマリに選抜試験準備委員会の延長としてツーマン
   セルで特別任務を任せている。次期後進育成のカリキュラムを検討中なのだが、チーム編
   成について検討したくてな。つい先ほど木ノ葉を出発し北部へと向かった。」
「北部へ?何でまた…。」
「人はどれだけ環境に左右されその心理状況は影響されるか、精神耐性のケーススタディが
   欲しいんだ。現在は閉鎖している第81演習場の状況確認と、廃城の再利用について検討し
   てもらうため派遣した。」
「ああ…あのキッツイ演習場ですか。そもそもの環境が厳しくて、精神的にあまりにキツイの
   でここ最近は使われていないと思いますが。来年はあんなところでやるんですか?チーム編
   成を変えて?」
「そうだ…異性間のツーマンセルの可能性についての実験を実施することになった。
   あの二人は調査を通して、自ら尊い被験者になってくれた。」
「…2人は何も知らないです。」
「え?」
「私たちは、この実験に対して仮説を立て検証していかねばならない。そのため、この緊急対
   策本部を設立し会議を開くことにしたんだ。ここに集ってくれた皆には、ぜひ積極的にこの会  
   議に参加して欲しい―――得られるものはでかいぞ。」
「それってまさか…。」
「……。」
「?」
「午後には2名のスケジュールや任務内容を事前共有する。
   各々が賭け…いや、仮説を立てるのは、実験本番である夜間前を考えている。」
「…やっぱり。」
「つまり、2人の…関係の進捗状況を賭けるってことですよね。」

「!」
「そんな言い方するな。どう転んでも里の将来につながるようにシステムを作ってある。」
「どう転ぶって…。」
「準備は抜かりないからな…暗部1名を報告係につけてある。伝達用のハヤブサが30分以
   内に時間厳守で報告書をもって来る。」
「暗部まで動員してるんですか…。」
「とりあえず午前は各々の業務につくなり休息をとるなり好きにするがいい。ただし、ここにい
   る全員にこれに署名してもらう。このサインをもって緊急対策本部本会議員に認定だ。」
「共犯になれってことですか。」
「まるで悪徳商法…。」
「これ、強制参加なんですね。」
「がたがた煩い!たまには大人の娯楽を嗜むぐらいの心の余裕がなけりゃ、日々の任務など
   できないだろう?次の召集は午後2時だ。それでは解散!」




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